【つるぎ高校】大森豊春氏

施設概要・沿革

大森さんは「野鍛冶工」としての職人さんです。

野鍛治とは、農具や包丁など暮らしに欠かせない道具を作る職人のことで、昔から地域の生活を支えてきた存在です。

大森さんは特にこの地域独特の農具の修理をメインとされています。

1日の作業時間は半日までと決めて、日に3、4つの製品の修理や制作をされています。

名工のワザ

鍛治の技術は、大森さんが以前鳶職をされていたときに現場で身につけたものだそうです。

制作、修理する農具は、畑の斜度によって道具の角度を変えたり、柄の長さを使う人に合わせたりするため、細かな調整が必要だそうで、そのためにオリジナルの制作用の道具を豊富に揃えられています。

制作する工程で気をつけていることは、ハンマーを傷つけないように叩くことだそうです。

誤って土台の方を叩いてしまうと割れることがあるそうで、小さなものを制作する際にはとても気をつかうそうです。

技術的に難しいものは、曲がっているものをまっすぐにしたり、逆にまっすぐのものを曲げたりする加工で、力加減や温度を見ながら少しずつ加工するのでとても繊細な技術になります。

その他、鉄の穴空け作業では、打面が尖ったものではなく、少し平べったいものを使うなど、素材の性質などに合わせた加工の工夫がいろんなところにありました。

代表、担当者の思いや考え

昔は鍛治職人はいろんなところにいて、農具や機械の修理で地域を支えてきましたが、今は年々少なくなってしまったそうです。

しかし、地域に残る傾斜地農耕システムが世界農業遺産に認定されてからは、大森さんの技術がその農法を支えているということで国内外のメディアで紹介されるようになり、地域に貢献できている実感がありやりがいを感じているそうです。

また、一つ一つ道具の状態や特性を見ながら修理や制作をするので、

「使いやすいといってもらえるのが一番うれしい」

と話されていました。

最近ではメディアの影響で県外からの修理依頼なども来るようになり、いろんな人とのつながりができたことが面白いそうです。

まとめ

農具は私たちにはあまり馴染みのないもので、形はシンプルですが実は非常に手が込んで作られていることがわかりました。

その技術を支える大森さんは、地域や使う人の特性に合わせて製品を作り続けています。

こうしたオーダーメイドの形式は機械化できない難しい作業ですが、だからこその温かみや技術の面白さが垣間見えました。

今は身の回りで機械化されたものを見ることが多いですが、昔はこうして人の手によって、職人さんがいろんなことを考えながら作ってきたということについて、多くの人に知ってもらいたいと思います。

感想

農具などは壊れたら買い換えるものだと思っていましたが、人によっては一つの道具を何度も修理をして、世代を超えて何十年も使っているというお話を聞ききました。

道具を大事に使うことの大切さを感じ、直せるものは直していこうと考えるようになりました。

また野鍛治という、地域に根ざした職人さんは、今は世界農業遺産を支える職人さんとなり、地域と世界のつながりが見えたのも興味深かったです。

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